グレートレース ~メキシコ250km/地元民族VS世界ランナー~

OFF TIME -休み時間-

「グレートレース」という番組は世界各地で行われる長距離レースを2時間番組として放送してくれます。

その中で一番おもしろかったレースが去年放送された「走る民族、メキシコ250kmレース」です。

これは「ララムリ族」という民族が住んでいる山をコースとして、ステージ5(5日)をトータル250km走ります。

ざっくり言うとララムリ族VS世界ランナーみたいなレースです。

ララムリ族…

ララムリ族は昔住んでた場所に鉱山が見つかりスペインの侵略を受けて山奥へ逃げていきました。逃げた場所は渓谷でこういったとこを昇り降りするのが日常の生活となりました。

世界のランナーの中には、世界で活躍するプロやUTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)で優勝経験があるプロも出ています。

その戦いが想像以上におもしろかったので書きたいと思います!

ララムリ族VS世界ランナーの戦いスタート

ステージ1がスタートした後は、ララムリ族数人が先頭集団として引っ張ります。

プロランナー達は、豊富な経験から「後ろから付いていって最後に追い抜くよ」と落ち着いてレースを運びます。

その言葉通りプロランナーはその日1,2位でゴールしました。

しかしララムリ族の「ミゲール・ララ」という選手も10秒後にゴールしました。

プロランナーもそのミゲールを「よくやったね」と称えます。

まずこの初日で衝撃ポイント①だったのがララムリ族は9人出場していたのですが、その半数以上が民族衣装(日本でいうハッピみたいなもの)を着て、足元は「ワラーチ」という日本でいうワラジのようなものを履いて走ります。(ミゲールは、普通のトレイルランナーの格好をしています)

走ると言えばランニングシューズが当たり前ですが、ララムリ族はワラーチが地面の感触を感じれて走りやすいそうです。

新たなランニングシューズ?「ワラーチ」
「ワラーチ」って知ってますか?メキシコのチワワ州に住んでいる「ララムリ」という民族が愛用している靴です。ワラーチは靴底がタイヤ素材でできており、靴紐が牛革でできています。見た目はサンダルのような形です。...

そういえば前にやってた「いだてん」のドラマでも足袋を履いて走ってたのをみて、昔は同じような感じだったなあと思いました。

ステージ2スタート

ステージ2がスタートした後もララムリ族が先頭を走ります。その中でミゲールが飛び出し前日プロランナーに負けたため、序盤から突き放しに掛かります。

コースは、岩や崖みたいな普通のランナーが躊躇して走るところを地元のミゲールは走り抜けます。プロランナーは自分のペースを守り「あんなに飛ばしたらどうせ(ミゲールは)体力がなくなるさ」と余裕の走りをします。

しかしミゲールはスピードを緩めることなく突き進みます。

しかもミゲールの走りスタイルは、飲料を片手に持って走っています。普通のトレイルランナーは肩部にあるドリンクホルダーに飲料を入れておいたりするのが通常です。

そんな中衝撃ポイント②がステージ2のゴールです。

ミゲールは1位のままゴールをするのですが、ゴールが見当たりません。

そしてスタッフに「ここがゴールです」と止められます。

なぜかというと運営スタッフの想定タイム以上の速さでミゲールがゴールしたため、ゴールの設営が間に合わず、どこがゴールかわからなかったのです。

ゴールを設営する前にゴールするシーンなんて見たことがなかったのですごく衝撃を受けました。

そして2位にプロランナーがゴール。

ゴール後にプロランナーはスタッフに

「ミゲールは何分前にゴールした?」と聞いて、

スタッフが「30分前です」というと

プロランナーは「うそだろ?信じられない」と驚愕していました。

ステージ3~4

その後もミゲールの独走は続きます。

衝撃ポイント③は、ミゲールの地元を走るところです。

地元では家族・親族が応援してくれてます。

そんな中、ミゲールの奥さんが差し入れをミゲールのリュックに入れるのですが急いでいるミゲールはリュックを閉めずに走ったため、「差し入れ+もともと入っていた食料」も落としてしまい、そのまま走って行ってしまいました。

そのせいか終盤ミゲールは空腹になり補給食もないためアメを舐めるしかありませんでした。

日本ならさまざまな高カロリーな補給食が店で簡単に購入できますが、こういった民族は高カロリーな補給食を持ってないため、そういった面でも不利があります。

そういったトラブルがありながらも、ミゲールは飲料を片手に持ち崖を難なく駆け下りていきます。あとからくるランナーはしゃがみながら恐る恐る降りていくところをミゲールは普通の坂道のように降りていくところは衝撃ポイント④です。

そしてゴール後はプロランナーに「あたなはすごいよ」とミゲールは完全に認められます。

ステージ5

最終ステージ5は、ほぼミゲールの優勝が決定的なためプロランナー2人は一緒にエンジョイして走ります。ミゲールは最後まで手を緩めることなく走り切りました。

まとめ

このレースで「ララムリ族」という民族を初めてしりましたが、同時にすごさも知らされました。

プロランナーもステージごとにこのララムリ族を認めていく姿からもすごさがわかります。

 

ミゲールは、普段の生活で急斜面の山を毎日15km登り降りしなければいけないため日本人にとっては「過酷」な生活に感じますが、彼にとっては「当たり前」の日常なのです。

ミゲールは、普段練習として走ることは無いみたいです。また彼の体つきは長距離ランナーみたいな細身ではなく、ガッチリしています。

また、優れた補給食も手に入れることができない彼が優勝し、レース中の給水地点をスルーしたりゴール設営前にゴールしたりと常識を覆されることがこの番組でたくさんありました。

また、民族衣装をまといワラージを履いて走ったララムリ族も上位に食い込み、レースに出れる機会・環境が無いだけで世界にはたくさんすごい人間がいることも知らされました。

 

このレースでは、もうひとつメキシコ在住の日本人夫婦が出場していたのですがこの夫婦の話も良かったので次回書きたいと思います。

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