以前にレンタルで「岳 ーガクー」という映画を観たことがあったのですが、Amazonプライムで1カ月間無料登録をしたため、今回この映画を改めて観ました。改めて観たことでトレイルランに通ずるところがあると思い書いてみました。
映画「岳 ーガクー」とは
雪山が舞台で山岳救助ボランティアの島崎三歩と山岳救助隊が登山客の遭難や滑落事故の救助にあたる過酷な現場を知ることができる映画です。その中で山の厳しさと山の素晴らしさを教えてくれます。
トレイルランに通ずるところ
トレイルランやOWS(海で泳ぐマラソン)は山や海といった自然の中で行うスポーツです。
トレランでいえば山のコース中にもスタッフの方が待機してくれています。又OWSもライフセーバーが見守ってくれています。
とはいえアクシデント・事故があった場合直ぐには救護・救助できないのがこういった自然を相手にしたスポーツです。(下山するにも、沖から岸にあがるにも時間がかかる)
急な天候変化にも左右され、更なる救護・救助に時間を要してしまいます。
そんな中大会主催者の方がスタート前によく言われているのが「諦める勇気を持つこと」です。
まだ自分で動ける力があれば、スタッフやライフセーバーの負担を軽減しながらリタイヤすることができるし次のレースの反省点として活かせることができると思います。
それが動けない状態だとスタッフ・ライフセーバーの負担が大きくなりますし、本人のレースイメージも悪くなってしまいます。
映画「岳(ガク)」でもそういった無理をした登山客の救護・救助にあたる上での困難さ過酷さを教えてくれるため、トレランなどのレースに挑む方には一度観るのもおすすめです。
島崎三歩のような山で暮らす人の適応力
映画を違う視点で観ると、主人公の島崎三歩は山での暮らしを楽しそうに過ごしています。
調べてみると暮らしている山は、穂高岳で標高3190mの山です。
標高3000mの山小屋に暮らしているとしても、標高3000mは平地の酸素濃度70%となり一般の人が登山で高山病(頭痛、山酔い)になりやすい標高です。
陸上や水泳選手が高地トレーニング(標高約1500m)を行いますが、
その目的として高地で行うことで
- 血中の赤血球・ヘモグロビン濃度を増加させ酸素を体内へ運ぶようにさせる
- ミトコンドリアの増加で筋肉内で酸素を効率よく使える能力改善
といった体の変化をもたらし、平地で疲れにくい体になります。
島崎三歩は3000mで暮らしているため体が自然と適応し、標高の高い山でも難なく暮らせてるのだと思います。
山岳ランナー 望月選手
現実世界でいうと山岳救助隊に「望月将悟さん」と言うトレラン界で有名な山岳ランナーがいます。
経歴として
- トランスジャパンアルプスレース(TJAR/415km)4連覇
- 2018年はトランスジャパンアルプスレース無補給(途中界水以外の飲食補給しないこと)挑戦し完走
- 東京マラソンで40ポンド(約18キロ)の荷物を背負って3時間6分のギネス記録を樹立
といったとてつもない記録をもっています。(まだまだ記録はありますが)
また望月さんもインタビューで
「山に敗退なんて、ないと思うんです」
アクシデントで山頂に到達できず引き返したことを「敗退」ということに違和感があるといい
「頂上まで登れなければ戻って、また挑戦すればいいんですから」
といわれています。
これだけの記録を残した人がこういった考えを持っていてくれるだけで
レースでの「諦める勇気」をもつことができると思います。
まとめ
繰り返しになりますがトレランなどは自然を相手にしたスポーツです。
僕が出たレースでいうと標高800mの山や岸から700m離れた沖を泳いだりと、体力の限界で動けなくなると救護・救助してもらう方に大きな負担をかけ本人のレースイメージも悪くなります。
トレランでいえばレース中に山から絶景な景色も見ることができますし、OWSでいえば壮大な海で泳ぐ気持ちよさや綺麗な海から見える魚の泳ぐ姿。レース中とはいえそういったことも楽しめる素晴らしいスポーツです。
悪いイメージになってしまう前に「諦める勇気」を持って自分と向き合い、今後も継続してレースに挑めるようにしたいです。
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